小児皮膚科

当院の小児皮膚科

当院の小児皮膚科子どもの皮膚は、大人の皮膚より薄く、繊細です。皮脂の分泌量が不安定であり、皮膚のバリア機能も十分ではないため、少しの刺激で肌トラブルが起こりやすくなります。
甲南山手まゆみ皮フ科では、こういったお子様ならでは皮膚の特性を熟知した医師が、症状・疾患を診療します。また、お子様お一人おひとりの肌質に合わせた治療・肌ケアのアドバイスをいたしますので、どうぞ安心してご相談ください。

乳児湿疹

症状

症状

顔、首、頭皮などに、以下のような症状が現れます。アトピー性皮膚炎で似た症状が見られることもあるため、1つでも当てはまるものがあれば、お早めにご相談ください。

  • 赤いポツポツ
  • 黄色っぽいフケ
  • かさぶた
  • 小さな水ぶくれ
  • ジュクジュク
  • 化膿・膿
  • かゆみ

原因

お母さんから胎盤を通して受け取った女性ホルモンの影響(生後2~4カ月)による過剰な皮脂分泌、摩擦や乾燥による皮膚のバリア機能の低下、汗腺の詰まりなどの原因が重なって発症します。いずれも、子どもが有しやすいリスク因子です。

治療

低刺激の石鹸を使って皮膚を清潔に保つこと、お風呂あがりなど保湿剤でしっかりとスキンケアをすること、温度調節により過度の発汗を防ぐことなど、日常的なケアによって多くの乳児湿疹は改善します。
上記のケアで改善しない場合には、期間を限定してステロイド軟膏を使用したり、ワセリンを使用したりといった薬物療法の導入を検討します。
アトピー性皮膚炎の可能性も考慮しながら、経過を観察します。

おむつかぶれ

症状

症状

お尻、具体的にはおむつが当たっている範囲に、以下のような症状が見られます。痛みから、お尻を拭く・洗う時などに泣いてしまう、というケースもあります。

  • 赤み
  • 発疹
  • カサカサとした乾燥
  • ただれ
  • 痛み

原因

便・尿、おむつとの摩擦、汗による蒸れなどによる、お尻の皮膚のアルカリ化、ダメージの蓄積が主な原因となります。お尻を拭く時の力が強く、皮膚にダメージを与えてしまうこともあります。

検査

おむつカンジダ症(乳児寄生菌性紅斑)という、おむつかぶれとよく似た病気があります。おむつカンジダ症が疑われる場合には、皮膚を少し擦り、顕微鏡で観察して診断します。
その他、合併しやすい病気としては、とびひ、汗疹、おむつ部乾癬、単純ヘルペス、亜鉛欠乏性皮膚炎などがあり、鑑別が必要な場合にはそのための検査を行います。

治療と対策

多くは非ステロイド軟膏の使用により治ります。改善しない場合には、ステロイド軟膏を使用することもあります。その他、おむつを小まめに交換して清潔を保つこと、おむつの種類を変更する、お尻を強い力で拭かないなどの対応も大切になります。お風呂あがり、お尻を拭いた後などは、保湿剤や白色ワセリンなどを使って保湿します。
おむつカンジダ症の場合には、抗真菌薬の塗り薬を使用します。

水いぼ

症状

水いぼは、皮膚状のどこにでもできますが、特に腋の下、首回りなどで好発します。

  • 皮膚と同じ色の1~5ミリの隆起の多発
  • 隆起は水が入っているような艶がある
  • 初期は小さく、徐々に大きくなる
  • 大きくなると、中心部がくぼむ
  • 破れると炎症、化膿を起こす
  • 消えていく一方で、発生数も多い

原因

伝染性軟属腫ウイルスの皮膚からの感染によって、2週間~数カ月の潜伏期間を経て発症します。皮膚と皮膚との接触、タオルの共用などによって感染するケースが多いようです。

検査

特別な検査はありません。視診で判断します。

治療と対策

水いぼは、免疫によって1年以内に自然に治癒します。自然治癒を待つか、積極的な治療を行うかは、未だ議論が分かれています。

水ぼうそう(水痘)

症状

水ぼうそうの症状には、以下のようなものがあります。

  • 胸、腹、腕、脚などの赤身のある発疹
  • 発疹の後の水ぶくれ、かさぶた
  • 強い痒み
  • 発熱

原因

水ぼうそうの原因は、ヘルペスウイルスの一種、水痘・帯状疱疹ウイルスの感染です。水痘・帯状疱疹ウイルスは非常に感染力が強く、空気感染をすることもあります。
なお水痘・帯状疱疹ウイルスに感染し水ぼうそうを発症すると、ウイルスはその後も体内に残り、体力が低下したタイミングなどで活性化し帯状疱疹を引き起こすことがあります。
水ぼうそうの人だけでなく、帯状疱疹の人と接触した場合にも、水ぼうそうを発症する可能性があります。

治療と対策

早期に治療を開始できる場合、重症化のリスクがある場合には、抗ウイルス薬を使用してウイルスの増殖を抑制します。水痘は主に小児の病気ですが、成人で水痘が発症した場合、水痘そのものが重症化するリスクが高いと言われており、早期の治療が大切です。その他、症状に応じて、解熱剤、かゆみを抑える薬を使用することがあります。
また、水ぼうそうになったことのない子どもとは接触をさせないようにしてください。
水ぼうそうはワクチン接種による予防が可能です。重症化し、肺炎・脳炎を合併することもあるため、1~3歳のあいだに2回のワクチン接種を受けることをおすすめします。

手足口病

症状

手足口病には、以下のような症状が見られます。特に、2~3歳の子どもに好発します。なお、大人がなることもあり、その場合は重症化のリスクが高くなります。

  • 手のひら、足の裏の赤いポツポツ、水ぶくれ
  • 口の粘膜の水ぶくれ
  • 38~39℃の発熱

治療と対策

特効薬はないため、症状に応じて解熱剤などの薬を用いた対症療法を行いながら、経過を観察します。
多くは、数日のうちに治まります。

アタマシラミ症

症状

遊ぶ時に頭をくっつけるなどしてシラミという寄生虫がうつると、以下のような症状が現れます。なお、かゆみがある場合には、シラミが大量発生している可能性があります。

  • 吸血によるかゆみ
  • 引っ掻くことによる炎症

治療と対策

専用の櫛で取り除き、スミスリンシャンプーなどのシラミ薬を使用します。家族間で感染することも多いため、家族で揃って治療に取り組むことをおすすめします。
なお、まわりの人にうつさないよう、頭部の接触を避ける、櫛・タオル・帽子・寝具などを共用しないといったことも大切です。

あざ・ほくろ

症状

あざやほくろには、生まれつきのものと、後天的なものがあります。代表的なあざ・ほくろとして、以下のようなものがあります。

  • 黒あざ…(色素細胞母斑)※通常のほくろを含む
  • 茶あざ…扁平母斑(カフェオレ斑)
  • 青あざ…異所性蒙古斑、青色母斑、太田母斑
  • 赤あざ…単純性血管腫、小児血管腫(いちご状血管腫)
  • 白あざ…脱色素性母斑、貧血母斑

自然に治るものもあれば、レーザー治療や手術が必要になるものまで、さまざまです。見た目が気になる、かゆみ・痛みなどの症状がある、大きくなってきたといったような、気になる点がある場合には、お気軽にご相談ください。